高専ロボコンに行ってきました

先月のことになりますが、群馬県で開催された「高専ロボコン」の関東甲信越地区大会に取材に行ってきました。

 
 
今年の高専ロボコンのテーマは「ベスト・ペット」。ロボットをペットに見立てて、飼い主である学生と一緒に玉入れを行うという内容でした。今までの高専ロボコンではコントローラーを使っての操縦でしたが、今回からはコントローラーなし!!ロボットには手を一切ふれずに操るという高度な技術が要求されています。(競技内容について詳しくはこちら
 
高専ロボコンっていうと、カラフルでユニークなロボットが出てくるイメージがありますが、あのロボットが形になるまでの過程は地味~な作業だったんですねえ。大会の参加者には「ルールブック」が配布されるのですが(オンラインで配布してます)、このルールブックには寸法とか重量とか、動き方とか、、とにかく細かい内容がぎっちり文字で書いてあるだけ。この制限を理解したうえで、あれだけ面白いロボが出来てくるのだから、すっごいなぁと思いました。文字からデザインを想像するのもそうだけど、想像したものを実際にカタチにするっていうのは、、難しいですよねえ。
 
スタンバイ中のロボット。ペットなだけにかわいいロボばかり!

 

関東甲信越大会に集まったのは、東京・千葉・茨城・栃木・長野・新潟・群馬にある高専からの20チーム。わが群馬県からは、群馬高専の2チームが出場しました。

 

大会の4日前に群馬高専の「ロボット研究会」の部室にお邪魔したのですが、それはもうハイレベルな図工室!先輩が残していった設計用の機材や、用途不明なぬいぐるみなどが(笑)所狭しと置かれていました。仕上げに取りかかる上級生の横で、1年生はロボット輸送用の部品や箱を作ったりと忙しそうでした。なんでも、ロボットの制作には学校の授業よりもかなり進んだ内容が必要になるそうで、先輩が「講習会」を開いて技術を伝授していくのが伝統なんだとか。技術を伝授っていうのが、何だかエンジニアの世界っぽいなーと思いました。
 
「エンジニアのたまごが集まると部屋はこうなる」の図

 

 
群馬高専のロボットは、“うさぎとかめ”がモチーフの「R-Twin」と、3本の鼻がついた「グンマーゾウ」の2つ。「R-Twin」のほうは、ツインなだけにロボット2台。うさぎが玉入れの玉を拾いに行き、カメは発射位置で待機の分業制をとっています。うさちゃんの頭についたカメラが人の動きを追跡します。「グンマーゾウは」、発射位置にくると、収納されていた長い鼻を伸ばして、すべり台の要領で玉を流し込むロボット。ゾウの後ろにセンサーがついていて、これに手をかざしてゾウを動かします。
 
結果は2チームともが大活躍!両チームともがベスト4入りを果たし、「グンマーゾウ」は審査員の推薦を受けて全国大会に出場も決めました。(それから、ストリーミングを見ている視聴者が選ぶ「ベストペット賞」とスポンサーの特別賞も受賞!)大勢の観客、何台ものカメラ、実況中継のアナウンサー付きという状況で、堂々とした戦いっぷりでした。
 
しーかし、他のチームのロボットも含めて、本当にユニークなロボばっかりでしたねー。「ペット」っていう括りで、ギリシア神話からラーメン屋ののれんまで出てくる、、なんで?・・・(笑) この解釈の多様性たるや・・・ まさにロボコン!だなぁと思いました。
 
群馬高専の「ロボ研」パーカー。いろんな色があってこちらもカラフルだった。
やっぱり青春はチームウェアが基本よねん。みんなカッコ良かったよー。

 

 
学生の頃からロボコンはテレビで見ていたんですが、いつか実際に見にいけたらいいなぁ、作ってるところが見られるといいなぁと漠然と思っていたので、その2つが実現して個人的にもとても嬉しかったです。テレビで見るよりも淡々としたコンテストなのかなと思ってたんですが(編集マジックがあるから)、実際はテレビよりも白熱した雰囲気で、うれし涙と悔し涙にこちらももらい泣きの4時間半でした。
 
 
高専ロボコン地区大会の様子は、今週23日(金)にNHK総合にて放送されるということです。お住まいの地域の大会の様子をぜひチェックしてみてくださいね。高校生とは思えない技術力の高さと、ユニークなアイデアに驚かされること必至でございます・・・。
それから、全国大会は11月25日(日)に国技館で開催されます。
 
 
(群馬高専ロボコンの記事は、先週発行の「朝日ぐんま」紙面に掲載されています。)
 

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